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東京地方裁判所 昭和46年(借チ)41号 決定

〔主文〕1 申立人と相手方渡辺善一との間の別紙目録(一)記載の土地に関する賃貸借契約及び申立人と相手方一一名との間の別紙目録(二)記載の土地に関する賃貸借契約の借地条件を次のとおり変更する。

(一) 土地の使用目的を堅固建物所有とする。

(二) 存続期間の終期を本裁判確定の日から三〇年後とする。

(三) 賃料を本裁判確定の日の属する月の翌月分から3.3平方米当り一ケ月一一三〇円とする。

2 申立人は、相手方渡辺善一に対し金一五三万円、相手方一一名に対し金一九七万円の支払をせよ。

〔理由〕(申立の要旨)

1 申立人は、相手方渡辺善一から別紙目録(一)記載の土地(以下甲地という)を、相手方一一名から同目録(二)記載の土地(以下乙地という)を非堅固建物所有の目的で賃借中にして、甲乙両地に跨り家屋番号二三〇六番の一八木造板葺平家建物置床面積81.81平方米を所有している。

2 申立人は、右建物を堅固建物に改築すべく計画しているが、土地の使用目的を堅固建物所有に変更することにつき相手方らと協議が調わないので、右変更の裁判を求める。

(決定理由)

1 本件の資料によると、申立外市川純一は、申立外渡辺正二から昭和二一年五月一七日その所有にかかる甲乙両地を非堅固建物所有の目的、期間昭和五一年五月一六日までの約で賃借し、その際、借地権を第三者に譲渡することにつき予め承諾を得たこと、申立人は、昭和二二年一一月頃市川純一から右借地権の譲渡を受け、甲乙両地に跨り申立の要旨1に記載した建物(現況亜鉛メッキ鋼板葺)を建築所有し、現在にいたつていること、渡辺正二は昭和四三年一一月一四日死亡し、その相続人である相手方斎川てう、同渡辺泰次郎、同渡辺善一、同渡辺益太郎、同水野すみ、同渡辺照丸、同坂井鈴子、同渡辺和道、同北原清及び申立外渡辺尚道間で遺産分割の協議をした結果甲地は相手方渡辺善一の所有として同相手方が甲地についての賃貸人の地位を承継し、乙地は右相続人全員の共有として、乙地についての賃貸人の地位を承継し、相手方渡辺福江、同渡辺園子の両名は、昭和四四年一一月一〇日渡辺尚道の死亡による相続により、同人の共同賃貸人としての地位を承継したこと、賃料は昭和二二年九月分から甲乙両地につき一ケ月一〇九三円に改められたが、その後賃料値上げについての双方の合意が成立しないまま現在にいたつていることが認められる。

……本件の賃料によると、本件土地附近は、借地契約成立当時は木造建物が主であつたが、現在は高層化の傾向にあり、新しく建てられる建物は堅固高層建物が主であることが認められ、右のような附近の土地の利用状況の変化から、現に借地権を設定する場合使用目的を堅固建物所有とするのが相当であり、本件申立は、これを許容すべきである。

2 附随処分

本件申立の許容により、申立人は、本件土地を最有効に使用することが可能となり、最有効使用に相応しい建物は、鑑定委員会の意見によれば、五、六階の堅固建物を相当とするとのことであり、申立人は、右の如き建物を建築し、これを利用する場合、これによる収益は、従前より増加することになる。収益は、賃料の源泉である一方、土地の効用に影響するので、収益増は、賃料増額の要因となり、また、借地権価格上昇の要因となる。鑑定委員会の意見によれば、使用目的の変更により、本件借地権価格の更地価格に対する比率は一〇%程度増加することが認められるので、借地権価格の増加分相当額、すなわち、同委員会の評価する本件土地の更地価格三四九四万四八〇〇円(3.3平方米当り一二五万四〇〇〇円)の約一〇%に当る三五〇万円を財産上の給付の総額とし、これを甲乙両地の面積で按分し、甲地の関係における相手方渡辺善一に対する財産上の給付を一五三万円、乙地の関係における相手方全員に対する財産上の給付を一九七万円とし、賃料を、同委員会の意見に従い3.3平方米当り一ケ月一一三〇円に改め、存続期間の終期を本裁判確定の日から三〇年延長するのを相当とする。

(小山俊彦)

目録

(一) 東京都中央区築地六丁目二三〇六番三

宅地 40.13平方米

(一二坪一合四勺)

(二) 同所同番四

宅地 51.83平方米

(一五坪六合八勺)

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